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日別アーカイブ: 2025年9月10日

ももちゃんのおかきだより~part6~

皆さんこんにちは

株式会社米菓桃乃屋の更新担当の中西です。

 

~製法の科学:米と水と熱がつくる「カリッ&ホロッ」🧪🔥💧~

 

1|原料米の選定:食感の80%は米で決まる

  • うるち米:硬焼き・噛み応え重視。アミロース多め→パリッと割れ、歯切れ良い。

  • もち米:ソフト&膨化の伸びが良い。アミロペクチン主体→口溶け・香ばしさが華やぐ。

  • ブレンド比率:天候や新米/古米で吸水率が変わるため、目標水分(生地)を基準に逆算。

吸水と浸漬

米粒の中心まで水を入れる“浸漬”は、後工程の糊化と膨らみに直結。低温長時間で芯まで均一に。季節変動で吸水時間を見直すのが“歩留まりと均質化”の要です。

2|蒸し・製粉・成形:デンプンの糊化コントロール

  • 蒸し:80〜100℃帯でデンプンが糊化→粘弾性が出る。ムラは割れ・欠けの原因。

  • 製粉/臼引き:米の粒度で気泡の入り方が変化(粗め=ワイルドなヒビ、細かめ=均一で上品)。

  • 成形:圧延厚みは“焼成時間・内部水分・割れパターン”を決める設計変数。薄焼き=高温短時間/厚焼き=中温長時間が基本。

3|乾燥:内部水分を“閉じ込めず、逃がし過ぎない”

焼成前乾燥の目標は表層サラッ、芯しっとり

  • 過乾燥:焼成で焦げやすい、タレが弾く

  • 過湿:膨らみ不足、べたつき、保存性低下
    棚乾→温風乾の二段管理や、夜間・早朝ロットの微調整が歩留まりを救います。

4|焼成:メイラード反応と褐変の設計🔥

香りと色は温度×時間×水分の三位一体。

  • 一度焼きで“下地香”を作り、

  • タレ付け→追い焼きで“照り艶・キレ味”をのせる二段/三段が王道。
    網の温度ムラはローテーションで均す。職人は音(パチパチ)と香りで完焼タイミングを読む👃👂。

5|タレ:糖度とアミノ酸のバランス

  • ベース:本醸造醤油+味醂・砂糖。**Brix(糖度)**で粘度を、窒素分で旨味を設計。

  • 追い塗りの回数:1回=軽快、2回=照り強、3回=コク深。

  • 塗布温度:生地温が高いほど浸透が進み、香り立ちが濃くなる。

6|トッピングと後がけオイルの科学

  • 胡麻・青のり・七味:油脂分や精油が香りの“持続”を担う。

  • 海苔:水分移行でしんなりしやすい→個包装 or 食べ切り設計

  • 後がけ米油/ごま油:0.2〜0.5%の微量で香り“跳ねる”。過多はベタつきの元。

7|品質・衛生:HACCP思考で“当たり前品質”を仕組み化

  • CCP例:加熱温度・中心水分・金属探知・異物混入

  • 官能評価の型:割れ音・口溶け・後味時間(秒)をチームで数値言語化

  • 保存:水分活性と塩の吸湿性を意識。袋内の脱酸素剤はロットに合わせて最適化。

8|まとめ

「狙った食感と香り」は“米×水×熱×時間”の数式で再現可能。伝統の勘をデータで補助し、ぶれない看板商品を育てましょう。次回は商品開発&売場設計。小ロットでも利益を残すラインナップ戦略を解説します🧮✨。